外壁塗装の助成金(補助金)について

外壁塗装を行う際にもらえるお金には、大きく分けて
・助成金
・補助金
の2種類があります。

助成金とは、お住まいの外壁に特定の塗料を使用することでもらえるお金のことで、条件は比較的緩めに設定されています。
一方、補助金には受給するための審査があり、審査に合格した人だけがもらうことのできるお金となります。

補助金には審査があり、受給のハードルが高い分、補助金の方が受け取れる金額が大きいのが特徴です。

この助成金や補助金は、実は地方自治体が定める制度となります。
そのため、自分が住んでいる地域の自治体によってその内容・条件などが異なり、地域によっては助成金・補助金自体が存在しない地域もあります。

「補助金をあてにしていたのに、いざ支払いの段階になって補助金が存在しないことに気づいた」
といったことの無いように、問い合わせの時点で塗装業者に補助金制度の有無、受給のための条件などを確認しておきましょう。

助成金や補助金は、外壁塗装を行えば自動的に発生する訳ではありません。
当然ご自身、もしくは塗装業者が申請を行うことで発生します。

施行前に申請が必要な場合もあるので、問い合わせの時点で塗装業者に「助成金・補助金があるのなら申請したい」という旨を伝えておくようにしましょう。
また、自治体によっては施行前後の写真など、実際に工事を行なったかを確認できる書類が必要となる場合があります。
その他にも見取り図などを提出する必要があるケースもあります。

注意点として、申請を施主と塗装業者のどちらが申請を行うのかを、事前に塗装業者と打ち合わせしておきましょう。
「塗装業者がやってくれるだろう」「施主側でやると思ってました」と双方の考えに相違があれば、施行前後の写真の撮り忘れなど、申請に必要な書類が揃わない恐れもあります。

助成金・補助金の申請を検討している旨を塗装業者に伝える時点で、どちらが申請を行うのか確認しておきましょう。
「お金の話だし自分でやりたい」と考える方もいらっしゃいますが、上述のように、申請には施行前後の写真や見取り図のような塗装業者でないと揃えられない書類もあるので、塗装業者に任せた方が安心です。

外壁塗装において一般的によく使用されるような塗料では、助成金の対象としない自治体が多いです。
なぜなら自治体は、「自治体が勧める塗料にはメリットがある」ということを広く認知させたいためです。

多くの自治体では「エコ」「環境に優しい」という部分を推進したいという考えがあるので、
・遮熱塗料
・断熱塗料
など、通常の外壁塗装以外に付加価値が付いた外壁塗装を行う際に助成金が渡されます。

遮熱性や断熱性を持つ塗料は、通常のウレタン塗料やシリコン塗料と比較すると、㎡単価が高額です。
そのため、「遮熱塗料や断熱塗料を使いたかったけど高額だから…」とお悩みの方は、ぜひこういった制度を利用してみましょう。
お得に理想の住環境を手に入れることができるかもしれません。

基本的には、どの自治体でも申請・受給の流れは似たようなものとなります。
一例ですが、以下のような流れで申請します。

① 各地方自治体にて助成金の申請
② 決定通知書の受け取り
③ 工事
④ 工事完了後に報告書の提出
⑤ 決定通知書の受け取り
⑥ 助成金の受給

一般的にはこのような流れになっています。
一旦完工後にご自身で工事代金を支払い、後から返ってくる、といったイメージですね。

外壁塗装・屋根塗装については、一部火災保険が適用される場合があります。

一般的に火災保険と聞くと、火事に対する保険のイメージがありますが、実は火災保険には「風災」と呼ばれる項目が存在します。
この「風災」は、台風や大雨、大雪や雹といった自然災害により被害が発生した場合に適用される保険です。

そのため、台風や大雨の影響で外壁や屋根に破損などが発生した場合は、火災保険の対象となることがあり、保険会社に「風災」と認定されれば保険を使って塗装工事ができるケースがあります。

ただし、自然災害の後であれば無条件に適用される訳ではありません。
保険会社に申請し、保険会社のアジャスターが現地調査を行い、屋根の劣化・破損が風災によるものと認定されてはじめて適用となります。

中には、「火災保険を使って無料で塗装しましょう！」と最初から保険の使用を勧めてくる塗装業者も存在します。
しかし、上述のように保険が使えるかどうかを決めるのは保険会社であり、塗装業者ではありません。
あくまで外部の人間である塗装業者が、現地調査を行う前から「保険を使って無料で…」と言える筋合いなど無いのです。

適用されるかどうかわからない保険をあてにして契約を結び、万が一保険がおりなかった場合、工事代金は全て自己負担となるので、大きなトラブルの原因となってしまいます。
保険が使えるかどうかを決定するのは保険会社であり、ご自身でも塗装業者でもないという点に注意しましょう。

最後に、一番気になる助成金・補助金の受取金額についてご説明します。

受け取れる金額は、どの種類の助成金を受け取るのかで大きく異なり、同じ内容であっても自治体によって金額が異なる場合があります。
5万円程度の助成金のものもあれば、施工面積に応じた金額が受け取れるもの、30万円程度のまとまったお金が受け取れるものもあり、種類は様々です。

ご自身がお住まいの自治体に助成金・補助金があるのか、塗装業者探しの段階でお住まいの自治体のホームページなどを確認してみましょう。

また、助成金・補助金は各地方自治体で予算が決められており、その予算分の申請があり予算が全て埋まった場合、早期に募集が終了するケースもあります。

ただし、申請時期によっては翌年度の予算を回してもらえるケースや、事後申請で翌年度の助成金が下りるケースもあります。
どちらの場合も自治体への確認・相談が必要ですので、工事ギリギリに申請するのでは無く、できるだけ早めに申請を行うようにしましょう。