姫路市での悪徳外壁塗装業者の手口とは？

実際に、工事金額は適正でも、実は手抜き工事を行っている悪徳塗装業者の手口を見ていきましょう。

塗装業者の利益は、当然ながら「工事金額 - 工事に必要な経費 = 利益」となります。
そこで、工事に必要な経費を無理矢理抑えることによって利益を出そうとする悪徳塗装業者が存在するのです。

その手口を順にご紹介します。

塗装回数を減らす

通常、外壁塗装・屋根塗装は下塗り・中塗り・上塗りと、3回塗る必要があります。
そうすることで、壁面と塗料が馴染みやすくなり外壁に塗膜がしっかりとくっつき、さらに厚く塗ってある分耐久性が上がるのです。

しかし、悪徳塗装業者の中には、塗装回数を2回にしようとする業者がいます。
具体的には、3回の塗装の内、中塗りの工程を省くのです。
中塗りの工程を省くことにより、塗料代・作業する職人の人件費を浮かせ利益を増やそうとするのです。

下塗りには下塗り専用の塗料が使用されますが、中塗りと上塗りでは同じ塗料を使用することが多いのです。
そのため、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りと、下塗り・上塗りだけの2回塗りでは、完工後の仕上がりはパッと見ではほとんど区別がつきません。

しかし、工事から数年後にその違いが明らかになってきます。
本来、外壁塗装・屋根塗装は、使用する塗料にもよりますが、耐用年数は10〜15年程度です。
ただし、それはあくまでも下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りをしっかり行った場合です。

塗装回数が少ないと耐久性が足りなくなり、耐用年数よりはるかに早く数年で塗膜が剥がれてしまう恐れもあります。

見積書に、「下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り」と明記されているかどうかを必ず確認するようにしましょう。

塗料を必要以上に薄める

塗装回数はしっかり3回であっても、その塗料自体が薄められている可能性もあります。
塗料はその塗料ごとに希釈の倍率が定められていますが、その希釈を本来の希釈より薄めてしまうのです。
本来の希釈より薄めることにより、使用する塗料の数量を抑えることになり、経費が削減されるのです。

しかし、塗料を本来の希釈より薄めてしまうと、塗り回数が足りない時と同様に、本来の機能をフルに発揮することはできません。
塗装回数が減らした時と同様に、耐用年数よりはるかに早く劣化が始まってしまいます。
さらに、塗料が薄くなっている訳ですから、仕上がりにも悪影響があります。

希釈時の誤魔化しを見破ることは難しいかもしれませんが、見積書にどんな塗料を数量いくら使うのかが記載されているか確認しましょう。
そして施工の途中でも、現在いくらの数量を使ったのか業者に直接確認できれば尚ベターです。

無理矢理なスケジュールで工事を進める

当然と言えば当然ですが、工期は長くなれば長くなるほど人件費が必要となります。
そのため、どう考えても無理やスケジュールを組み、無理矢理塗装工事を終わらせようとする悪徳業者が存在します。

短期間で強引に塗装工事を終わらせる最も典型的な方法として、「塗料が乾く前に次の塗装をする」という手口があります。

本来外壁塗装は、しっかりと前工程の塗料が乾ききってから次の塗料を塗っていくものです。
そのため、どうしても塗料の乾き待ちという時間が発生します。

その待ち時間を短縮し、工期自体を短くしようとする訳ですが、前工程の塗料が乾ききる前に次の塗料を塗ってしまうと、もちろん悪影響が発生します。
特に、下塗りに使用される塗料と中塗りに使用される塗料は全く別物ですので、下塗りが乾く前に次の塗料を塗ってしまうと、違う成分の塗料が混ざり合ってしまい、本来の機能を大きく損ないます。

さらに問題は、全ての塗装が終わり仕上がってしまうと、通常通り塗装した場合とパッと見では違いが無いのでタチが悪いのです。
しかし、耐久性は塗装回数が少ない、塗料を必要以上に薄めた時と同じく、著しく低下するのです。

各工程の塗料が完全に乾くためには、塗料にもよりますが丸一日必要です。
そのため、例えば昨日の夕方に下塗りが終わったばかりなのに、翌日の朝一番から中塗りを始めた場合には、乾ききる前に次の塗料を塗り始めていると疑っても良いでしょう。

塗装工事に入る前に、どういったスケジュールで進んでいくのか、塗装業者に任せきりにせずご自身でも確認しておきましょう。
そのスケジュールを見て、約１日かかる乾燥時間が確保されていない場合は、塗装業者に「このスケジュールはおかしい！」と尋ねるようにしましょう。

以上、悪徳塗装業者の様々な手口をご紹介しました。

どの項目についても言えることですが、特徴としては「一般の方にはわかり辛い・知らない」という点が挙げられます。
つまり悪徳塗装業者は、「この工程を減らしても、手抜きしてもバレないだろう」「一般の人は見積書なんか見ても内容がわからないだろう」と考えて、皆さんを騙そうとするのです。

悪徳外壁塗装業者に騙されないために何よりも有効な方法は、「ご自身でも外壁塗装に対する知識を持つこと」です。

ただしそれは専門的な知識を持つということではありません。
上記のような必要な項目だけを知っておけば良いのです。

例えば上記の項目を覚えておき、塗装業者の施工に疑問が湧いた時に直接尋ねるとします。
誠実な塗装業者であれば、丁寧にしっかりと説明をしてくれるでしょう。
しかし、悪徳塗装業者であれば、「この施主は外壁塗装のこと知ってる…」と考えるため、不誠実な施工への抑止力になります。

完全に業者任せにするのではなく、ご自身でも最低限の塗装に関する知識を持つことが、手抜き工事を防ぐことに繋がるのです。